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WORKS導入事例

アンバサダーマーケティング導入事例ーマクアケ様

ブランドパーパスに共感を 〜Makuakeの応援型アンバサダーマーケティング〜

ポジティブな評判を形成する

マクアケ社は、まだ世の中にないものやストーリーあふれるチャレンジが集まるアタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」を運営する会社です。そのビジョンやサービスの世界観に共感し、応援してくれるファンとさらにMakuakeを盛り上げるべく、2022年8月からMakuakeアンバサダーをスタートしました。熱量の高いUGCから新規や既存顧客の支援者を増やす取り組みについて、原田さん、田中さんにお話を伺いました。

原田隆太さん株式会社マクアケ マーケティング部 サービスグロースチーム マネージャー
田中芙実さん株式会社マクアケ マーケティング部 サービスグロースチーム
望田祐作アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 アンバサダーマーケティング事業部 部長
徳力基彦 アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 アンバサダー/ブロガー

マクアケ社がアンバサダープログラムを開始した理由

望田:本日はよろしくお願いします。簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか。

原田さん:はい。私はインターネット広告やゲーム事業の会社を経て、2022年4月、マクアケにジョインしました。ゲーム事業会社のときも実は、アジャイルメディアさんとアンバサダーマーケティングを実施しておりました。本日はよろしくお願いします。

田中さん:私はデザイナー向けのポートフォリオサービスの企業営業、マーケティングを経て、2022年5月にマクアケにジョインしました。現在、SNS運営やアンバサダープログラムをメインで担当しています。

望田:さっそくですが、田中さんからMakuakeアンバサダーの概要を紹介していただきます。

田中さん:まずMakuakeのご紹介、そしてアンバサダープログラムを開始した理由をお話しします。

Makuakeは、新しい商品やサービスを作りたい、それを広げていきたいという企業や個人の方の想いを知った上で、応援の気持ちを込めて買い物ができるというサービスです。
Makuakeでは「実行者」と呼ばれる商品の企画者の方がプロジェクトを立ち上げてMakuakeに掲載し、掲載されたプロジェクトを見た人がおもしろいなと思ったら応援購入できるという仕組みになっています。図にもあるように、Makuakeでは購入してくださる方は応援者なので、ユーザー・購買者などではなく、サポーターと呼んでいます。

Makuakeの仕組み

田中さん:Makuakeのビジョンは「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」です。このビジョンを実現するためには社員だけでできることは限られているため、実行者の方やサポーターの方に協力していただくことが重要になります。そのなかでも、「応援購入」という形でダイレクトに関わるサポーターのみなさんとの取り組みをより強化していくことが大事だと考え、Makuakeアンバサダープログラムを開始することとなりました。

望田:アンバサダープログラムに期待していることはなんでしょうか。

田中さん:三つございます。 ①新規顧客 ②UGC創出 ③評判形成です。

①としては、Makuakeが好きという方に、好きな理由や感じている魅力を発信していただくことで、私たちだけでは出会えない新規顧客層へアプローチできるのではないかと考えました。
また、②のポジティブなUGCを増やしていくことで、③のサービスイメージ、信頼度が上がるといった評判形成が期待できます。副産物として新規にMakuakeを使おうかなと思っている方がクチコミを調べたときに安心でき、利用しはじめるハードルも下げられるのではないかという点にも期待をしています。

『Makuakeアンバサダー』の活動とKPI設計について

田中さん:続いて、Makuakeアンバサダーの具体的な活動について紹介していきます。

弊社のアンバサダーは誰もが就任できるというわけではなく、アンバサダー募集時に審査制度を設けました。なぜ審査制にしたのかというと、Makuakeのビジョン実現のために一緒に活動してほしいという目的でプログラムを始めているので、より熱量が高い方と活動をスタートしたかったという理由です。また、きちんと活動機会を共有し、アンバサダーの方の活動内容を追いながらサポートしたいという点も小規模にスタートにした理由の一つです。

審査基準としては、
・ マクアケ社のビジョンやサービスの世界感に対する共感度
・ アンバサダーとして、どのような活動をしたいかといった積極度
・ Makuakeのどんなところが好きかといったロイヤルティ度合い

などをもとに選定しました。募集100名枠に対して1000名以上の方に応募いただき、その中から選ばれた方々なので、非常に熱量の高いメンバーになったと思っています。

現在のアンバサダーの主な活動は、以下の3つです。

・SNSでのMakuakeおよびプロジェクトに関する情報発信
・プロジェクトの先行体験レビュー
・運営からのインタビューやアンケート協力

例えば、SNS発信では、以下のようなものがあります。

日々の投稿例

田中さん:発信内容には特に条件は設けていませんので、アンバサダーの方が日々感じる魅力をご自身のペースで発信していただいています。毎日投稿されている方もいれば、月に2回程度の方もいたりと、さまざまです。

Makuakeはサービスを提供する会社なので自社商品はありませんが、毎日のように実行者の方のさまざまなジャンルの挑戦が公開されているため、「発信のネタがない…」という課題は少ないかなと思っています。

2番目の先行体験レビューでは、実行者の方が開発中の商品などを先行してお渡しし、アンバサダーにレビューしていただくというコンテンツです。実行者さん自身が製品レビューをするよりも、第三者の声が上がってくると、信頼度が上がるなどがメリットとしてあるため、コンテンツ化して実施をしています。

先行体験レビュー

田中さん:3番目のアンケートやインタビューは、Makuakeの未来を熱く考えてくれているアンバサダーさんの声をサービス改善に活かすべく、活動の一つとして展開をしています。

内容としては、アンバサダー活動に対するフィードバックをもらったり、今後サポーター向けに展開を検討している企画が本当にサポーターに刺さるのか?ということを仮説検証するための質問などをしています。率直な意見をもらうことができるため、その内容を担当者に戻し、実行の検討を行っています。

徳力:Makuakeは、実行者の方の1つ1つのプロジェクトに対して応援するという個々の構造だと思っていたのですが、いまでは、Makuakeそのものを帯で捉えて応援購入をしたいというサポーターの軸ができあがってきているのですね。

田中さん:はい、実際にMakuakeの「応援購入」というビジョンに強く共感してくださっている方もいらっしゃいます。一方で、新しいユニークなものが生まれることに対して魅力を感じている、という方もいます。100人いれば100通りに魅力の感じ方があるかと思います。

徳力:昔、ブロガー向けに、御社がやられているような先行レビューのようなことがやりたくて試したことがあったのですが、どうしても企画が単発になってダメでした。ネタが尽きないというのがうらやましいですね。

田中さん:日々新しいものが出てくるので、サポーターさんもチェックする甲斐があるというのも助かります。

徳力:3つめのインタビューの取り組みも、社員みたいな感じの仕事ですものね。

田中さん:審査を経ているため、率直な意見がいただけます。サイトのことを考えたうえで「その機能は要らない」と言われることもあります。

徳力:インセンティブはどう設定していますか。

田中さん:ポイント制になって、貯まったポイント数によってプレゼントやイベント参加権が得られます。インセンティブ内容は、Makuakeならではの体験を提供できたらいいかなと思い、コアユーザーが魅力を感じてくれそうなコンテンツを過去のアンケートからたたきをあげ、さらにアンバサダー募集時のアンケート結果も考慮して決めました。結果としては実行者さんたちと繋がりたいという内容が多かったですね。

インセンティブについて

徳力:出てみたいものの選択式で、ファクトリーツアーと実行者ワークショップ、そして実行者との交流会が1位、2位、3位というのは熱心さが一目でわかります。

田中さん:実際に、「新しいことに挑戦する人ってすごいですよね」、「挑戦している人を見ているだけでもワクワクする」というアンバサダーさんが結構いらっしゃるんです。そこから紐づいて、こういったコンテンツをやってほしいというのに繋がっているのかなと思います。

徳力:インセンティブがモチベーションになるキャンペーンだとこれはないです。工場に行きたい、中の人に会いたいというのは、製品や企業、ブランドのファンに近いですね。

MakuakeアンバサダーのPDCAの回し方

田中さん:次にKPIの設定について紹介します。Makuakeでは「UGC数」、「アクティブ率」、「アンバサダー活動満足度」の3点をKPIに設定しています。
アンバサダープログラムを開始した目的として、発言は「広げる」という部分で重要になるため、メインで見ていくことにしています。これに付帯して、アンバサダーさんのモチベーションが落ちていないか、モチベーションが維持できる企画を実行できているかを計るものとして、「アクティブ率」や「満足度」を設定しています。

MakuakeアンバサダーのPDCAの回し方

田中さん:これをあげていくためのPDCAはどのように行っているか、ご紹介します。

計画の部分では、成果をチェックしやすくするためにも、企画を立てる際にその企画で何を達成してほしいのかをハッキリさせるように気をつけています。今は、「UGCを増やすため」もしくは「Makuakeのことを理解してもらうため」の二軸で計画しています。

実行の部分では、コンテンツを継続提供するために、フォーマット化できるものは早めにフォーマットを作り、展開していくことを意識しています。所属しているアンバサダーさんが興味をもてる内容を、「定期的」に「継続して」発信をしたいので、スピーディーにコンテンツ提供できるよう工夫しています。

評価については、アジャイルメディアのツールを使って、UGC数や投稿頻度を見ています。また、各コンテンツに目的を設定しているため、それに合わせて投稿数や投稿内容をチェックしています。
改善については、ポイント設計の妥当性や、コンテンツ実施内容や募集期間のタイミングがよかったかどうか、またアクティブに活動してくれたのであればなぜか、アクティブでなくなってしまった人があればなぜか、といった考察をします。1か月に1度は振り返りミーティングを行い、アンバサダーの方にもっとMakuakeを好きになってもらい、UGCで新しいファンに結びつけるということができる企画になるよう、定期的に見直しています。

これまでの振り返りと課題や今後の展望

田中さん:これまで4か月ほど活動をしてきた結果について紹介します。
まず、毎月記載の4点は欠かさず実施をしていました。

・月約6回のコンテンツ提供
・月2回以上のメール送付
・Monthly投稿MVP選定
・月次レポート発行

コンテンツ提供数が最適かどうかはまだわかっていませんが、コンテンツ提供とメールの送付数については、運営が常にアンバサダーとつながりを持ち続け、忘れられないようにしたいという意図があります。

毎月モチベーションを失ってしまわないように、MVPを選定したり、月次でアンバサダーレポートの発行もしています。レポートの例は以下にあげます。

アンバサダーレポート

田中さん:レポートは、メールを見落としてもフォローアップできること、日々の投稿例などを組み込んで、発信の参考やモチベーションアップに繋がると思っています。これからも「アンバサダー楽しい!」と再認識いただけるチャンスを作り、運営事務局との距離を近づけてコミュニケーションを取っていきたいなと思っています。

4ヶ月の成果としては、アジャイルさんと相談をしながら目標設定を行い、スタートしたのですが現状すごく好調で毎月達成できています。途中で上方修正もしたのですが、それでも達成を続けられているという状況です。このことから現状は、アンバサダーに刺さるコンテンツを提供できているかなと考えています

成果レポート

田中さん:今後の課題や展望については、次のように考えています。
まず1つめは、UGCやインタビュー内容の活用方法です。良い体験談やつぶやきをたくさんしていただいているため、これをもっと他にも活かせないかと思っています。どう活かすかを含め、今後、考えたいと思っています。

課題に関して

田中さん:2つめは、提供コンテンツの改善です。どのタイミングでどんなコンテンツを提供すると良いのかなど、もっと計画を立てて運営していくべきだと考えており、今後検証しながら見直しを行いたいと思います。

最後は、アンバサダーとの取り組みをさらに広げることです。サービス理解度や会社とのビジョンの共有度が高いアンバサダーに集まっていただけたことで、Makuakeをずっと好きで居続けてくれるという方々の存在を我々もしっかり認識できました。
これからは、新規サポーターだけでなく、そういったずっとMakuakeを好きでいてくれるサポーター自体を増やしていくことも大切だと考えており、アンバサダーの増員やランク制度なども今後考えていきたいと思っています。
また、アンバサダーと一緒に、もっとMakuakeを楽しむ方法やMakuakeの魅力を再認識するコンテンツを作り、発信をしていくなどもいいなと思っています。

少人数でも熱量のあるアンバサダーの良さと向き合い方

徳力:4ヶ月しか経ってないのに、すごい完成度でびっくりしました。田中さん、ありがとうございます。これは、原田さん、進めるにあたって事前の経験などが活かされたのですか?

原田さん:今回良かったところは、100人程度に厳選したところだと思います。前職でやっていたときは1万人くらいだったので、個々人の発言を全員見られなかったし反応もそこまでわかりませんでした。
100人にすることのデメリットを敢えて言えば、UGCでの広がりが低めになることでしょうか。また、インセンティブについてはゲームのほうが作りやすかったですね。リアル商材は、試したり、提供したりすることが難しいですね。

徳力:100人程度だとコミュニケーションが密にできるのはいいですよね。ただ、コミュニケーションの頻度には、各社の担当者さんが悩むところです。先ほどメールと月次レポートがあるとのことですが、他にもありますか。

田中さん:あまりメールがたくさん送られても見きれないと思うので、Twitterのサークル機能やInstagramの親しい友達設定を使って、アンバサダーだけに公式のアカウントから簡単にお知らせができるようにしています。

徳力:Twitterのサークル機能ならサークルのメンバーにしか見られないのでいいですね。公式の運営としても内輪向けの発信はしづらいですし、DMも手間がかかるから、いいアイデアですね。

最後に、望田さんとお二人から、アンバサダープログラムを始めるにあたってのヒントをいただければと思います。

望田:今回のプロジェクトにも言えますが、アンバサダープログラムを始めるときは、アンバサダーの気持ちを把握することから始めるということを私たちも推奨しています。
マクアケではN1分析、N1ミーティングをされていますが、ファン1人1人の思いが理解できていると、プログラム内容も企画しやすくなりますし、人対人の仕事もしやすくなると思いますので、おすすめします。

原田さん:アンバサダーの声を頻繁に聞くと、ヒントがいっぱい転がっているということがわかりました。
もちろんエゴサーチのようなオンラインでできることもあるのでしょうが、やはり1対1で直接話ができる機会には多くのことが学べると感じ、そこが施策にも役立っていると思います。

田中さん:アンバサダープログラムをはじめてみてユーザーに向き合い、考えをまず理解することがとても大事だということを改めて感じました。
アンバサダーコンテンツでは、アンバサダーさんを理解するためのアクションからはじめ、自分たちが伝えたいことが正しく伝わっているのか、誤解は生まれていないかを確認しながら企画を進めるようにしています。
また、アンバサダーさんに「何かをしてもらう」という一方的な関係ではなく、一緒に盛り上げてもらっているという意識で運営をしており、メール1つでも内容が機械的にならないよう、きちんと人として向き合って対応するよう心掛けています

徳力:今日はたくさんのヒントをありがとうございました。

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