Agile Media Network

WORKS導入事例

アンバサダーマーケティング導入事例、アルファロメオ

ファンと繋がり、想起率を維持。

アルファ ロメオ のインタラクティブなコミュニケーション

FCAジャパン株式会社 売上を支える、伸ばす

個性と魅力に溢れるイタリア・アメリカの4ブランドを日本国内向けに販売するFCAジャパン。そのなかでもイタリア車の代名詞ともなっている老舗ブランド、アルファ ロメオは2020年6月に110周年を迎えました。ファンの熱愛するアルファ ロメオの110年をお祝いするために、公式で初めてアンバサダープログラムを立ち上げ、オンラインイベントや共創グッズの開発などアンバサダーマーケティングを積み重ねていきました。

馬場 まさみ さんFCAジャパン株式会社 マーケティング本部 アルファ ロメオ コミュニケーションマネージャー
111年もの歴史を誇るブランドを長きにわたり支え続けてくれたのは、大切なオーナー、ファンの皆さま。
その皆さまと、ブランド発信のSNSだけでなく、インタラクティブなコミュニケーションでつながる機会を多くもうけるべく、様々な活動に取り組んでいる。
河野さんプロフィール写真
島崎 優 さんアジャイルメディア・ネットワーク株式会社
アンバサダーマーケティング事業部
セールス2 サブリーダー
amnyoshida
吉田 さえ子アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 マーケティング部

なぜ既にファンコミュニティが存在するのに、
アンバサダープログラムで組織化を計ったのか。

吉田:本日は宜しくお願いします。
最初に、御社内での馬場さんのお仕事の内容をお伺いできますでしょうか。

馬場さん:広告まわりやデジタルコンテンツの企画・製作、コミュニケーションなどのディレクションを幅広く担当しています。もちろん、SNSの運用や今回お話しするWe Love Alfa Romeoも担当しております。

吉田:アルファ ロメオのファンには「アルフィスティ」という愛称があるくらい、独自のファンコミュニティが世界中に形成されているかと思います。オフィシャルにファン活性化という必要がないくらいとも言えますね。
なぜ、敢えてファン組織であるWe Love Alfa Romeoを始動されたのでしょうか。

馬場さん:いまおっしゃっていただいたように、確かにアルファ ロメオは世界中で多くのファンに愛されているブランドとして知られています。皆さま自発的にコミュニティを作り、車種ごとや、地域ごとで集まっていただけているので、大変嬉しいです。
デジタルコミュニケーションにおいても、SNSではお客さまがつねに注目してくださっています。ただ、双方向につながりづらいという課題を感じていました。

たとえばSNSの種類でいえば、ファンの年齢層は若い方からご年配の方まで幅広いためFacebookが他のSNSよりフォロワーが多く、10万人以上がフォローをしてくださっています。ただ、Facebookはどうしても、メッセージを受信することがメインになってしまうので、コミュニケーションに繋がるところまではいたりません。積極的なアクションを取ることも難しく、リアルな声を聞くということはできません。

We Love Alfa Romeoのことを話してくださる馬場さん

吉田:わかります。公式のページ運用は交流というより、お知らせに近くなりがちです。

馬場さん:そして、私たちの悩みの1つはその方によって気に入っている車種や年代が違う、気に入っているポイントが違う、ということです。これはアルファ ロメオのファンの特徴なので、公式からコミュニケーションが一様にはいきません。当然、個別にファンのグループが多数存在するのですが、それもすごく数が多いので、個別に手厚くコミュニケーションしていくことも難しい状態です。

吉田:ファン層が厚いゆえに、好きのポイントも違うグループが多数あるのですね。

馬場さん:はい。そんな多様なファンの方々が1つのプラットフォームに集まって何かできるとしたら、この活動しかないなと思って始めたのが110周年を記念してスタートしたアンバサダープログラムでした。

吉田:今回の発起人は馬場さんだったでしょうか。上司や他の方の反応はどうでしたか。

馬場さん:かなり前から、上司ともファンの皆さまとコミュニケーションを深くできないか、という話をしていました。2020年はちょうど110周年のタイミングにあたったので、もっと密に繋がれるものを作りたい、ならばやってみようとなりました。

リアル接触はできないからこそ
オンラインで〈密に〉コミュニケーション

吉田:立ち上げた2020年は新型コロナウイルスの流行で、ファンとのコミュニケーションはやめておこう、そこに投資をすべきではない、といったお声も他社様から頂戴したことがございます。
この時期にアンバサダープログラムを始動させたい、というご依頼の経緯をお伺いできますでしょうか。

馬場さん:6月24日は創業記念日、アルファ ロメオのお誕生日です。110周年には本来ならリアルイベントをやろうと思っていましたが、それができなくなってしまった。だからこそ、オンラインでできることはしっかりとやっていこうという話になり、むしろこういった時代だからこそ何か積極的にファンの皆さまと関われることはないかと模索していました。

吉田:We Love Alfa Romeoとしてアンバサダーを6月24日のオンラインイベントに向けて募集をされていました。SNS上で「アルファ ロメオ総選挙」として、歴代の車種からアンバサダーのみんなで選ぶ車種ランキング発表が行われ、アンバサダーの皆さんの評判もよく、大成功だったと思います。
オンライン上にはなりますが、実際にファンの声が可視化されていかがでしたか。

馬場さん:一番の目的は、110周年でお祭り的な盛り上がりが作れればということは考えていました。当初はそんなにご登録者数も集まらないだろうから、短期でやめようと思っていたんです(笑)。

吉田:ところが予想以上にファンが登録されました。

島崎さん:アンバサダーへの登録が昨年のアニバーサリー時点で3,500人に到達し、いまでは5,000人を突破しました。総選挙イベントには1,200名以上が参加し、多くの熱いコメントをいただきました。その後、アンバサダープログラムで様々な施策を実施してきましたが、総選挙は皆さんの中でも一番思い出深いイベントになったようです。

馬場さん:ありがたいことに予想を超えて本当にたくさんの方に登録いただきました。
もともと、好きな車種投票であれば、気になる他の方の好きなアルファ ロメオも知ることができますし、ご自分の好きな車種についての愛情も高まるだろうと思っていました。
この企画は本当に面白かったです。内容ももちろん面白いのですが、ライブで見ることができるので、カウントダウンしているあいだもずっとコメント欄が盛り上がって、楽しんでいただいているのがとても伝わってきましたね。

We Love Alfa Romeo 車種投票イベントでのランキング

We Love Alfa Romeoのアンバサダーマインドを分析!

吉田:弊社の調査でアンバサダーの皆さんの「好き」に関して、分析してもらいました。*アンバサダーマインド調査

島崎さん:アンバサダーマインド調査では、ファンの「好きの向こう側にある感情」を示す5つの指標があるのですが、それは「欲しい」「知りたい」「ブランドと関わりたい」「仲間とつながりたい」「言いたい」になっています。

一般のブランドに対する平均値に比べると、アルファ ロメオのファンは、「言いたい」と「仲間とつながりたい」という部分がとても強くなっています。「欲しい」「知りたい」「ブランドと関わりたい」というのは、ブランドと自分の二者で解決できることが多いのですが、「仲間とつながりたい」「言いたい」というのは、伝える第三者がいないと成立しないので、アンバサダープログラムが最適だった可能性はあります。

We Love Alfa Romeo アンバサダーマインド調査

馬場さん:よく言われることなのですが、アルファ ロメオのオーナーの方は、アルファ ロメオが停まっていると隣に駐車したくなる、走っているのを観るだけで嬉しくなってしまう、そんな方たちなんです。そういう意味では常に、「友達を作ることを楽しんでいる」方たちなので、私も「仲間とつながりたい」が強く出るのは納得です。ただ、「言いたい」は意外というか。

島崎さん:「言いたい」というのは製品の良さを伝えたいということが含まれます。
一方で、別の調査を見ますと、「あなたは家族や友人にアルファ ロメオを推奨したいですか?」という質問の回答については、推奨度は実は低くなっています。
吉田:誰でも買える価格のモノではないから、薦めづらいという結果でしょうか。

島崎さん::価格というより個性の問題で、アルファ ロメオを選ぶのは個性だから、万人には「薦めづらい」ということみたいなんですね。あとは、「クルマが乗る人を選ぶんだ」とか、「これは俺の好みだから」といったコメントが続きます。

吉田:アルファ ロメオは私が選んだけれど、他の人には薦めない。でも、持っている人を見るとつい隣に停めて、互いに良さを語り合いたくなってしまう…。まさにアンバサダー心理ですね。

島崎さん::もっと面白いのが、「実際に家族や友人など周囲の人にアルファ ロメオを薦めたことがありますか?」という質問には、薦めていらっしゃる人が多かった点です。

馬場さん:自分がとても好きなものについて語れる相手を皆さま求めてらっしゃる。だから、仲間とつながりたい。そのための自主的なコミュニティはあるのですが、濃いオーナーの方だけのコミュニティだけでなくて、語る相手をもっと広げていくようなアンバサダープログラムのような役割は、非常に意味があったと思います。

共創グッズを販売するため、重ねたオンラインミーティング。

吉田:アンバサダープログラムの社内での評価はいかがでしたか。

馬場さん:まず、オンラインイベントで投票がこれだけ集まったという成果と、オンラインでライブ視聴している方が千人を超えて交流したことで、社内ではアンバサダーが非常に強く認識されました。
We Love Alfa Romeoのアンバサダーの熱量が他のブランドと比較しても特別高かったという認識と、スレッドの盛り上がりがすごかったよねと。最後までランキングの結果がわかりませんでしたから、スレッドでの前向きな参加感もよかったです。

吉田:そして、開始した次の111周年記念のアニバーサリーでアンバサダーの皆さんとアイディアを出しあった共創グッズの製作し、販売をされていたのが印象に残っています。

馬場さん:車種投票のイベントのあと、もっと皆さまと何か一緒にしたいね、と話していたのですが、車はさすがに難しいので、私たちがお客さまに対してさしあげるノベルティでしたり、マーチャンダイジングで販売しているものだったら何かできるね、となりました。

吉田:馬場さんが、「当たり前」のようにおっしゃるので見逃してしまうのですが・・・。もっとファンと繋がりたい、だから商品を一緒に開発しよう、それを販売しよう、となるのはなかなか社内での理解がないとできないコトかと思います。
グッズとはいえ販売物にお客さんが加わることへの壁はなかったですか。

馬場さん:我々マーケティングの部署に加えて、商品を実際に扱っているマーチャンダイジングのグッズ部門からも社員に入ってもらいましたが、全員前向きに捉えていました。
ただ、共創商品のオンラインミーティングでコミュニケーションに慣れるまでが難しさがありました。最初の頃はファンの方と初対面でのお話ですから、しかもオンラインですし、ミーティングもどこか硬い感じでした(笑)。
ですが、回数を重ねるごとに段々と和やかに、意見も気兼ねなく言えるようになっていきました。そのためには、司会役にモータージャーナリストの嶋田智之さんに入っていただいたのですが、よく配慮してくださって、場のほぐし方を工夫して話しやすい雰囲気をつくってくださいました。嶋田さんの貢献度は絶大です。

いつか私もオーナーに…想起率を維持することが重要

吉田:老舗のブランドだからこそ、過去の車種への言及が多めになっているアルファ ロメオについて、SNS上に現行車種の話題を増やしたい、というご希望もありましたよね。アンバサダー活動を通して、こちらの成果はどう評価されていますか。

馬場さん:キャンペーンを作っていくなかでは、現行車種についてのコメントをいただくことが増え、そこでいいコメントもいただいたりしました。

吉田:クチコミの購買への貢献の可能性はあると考えられますか。

馬場さん:アルファ ロメオは、SNS上クチコミとの親和性はあると思います。ただ、可視化できるようなところには至ってないかもしれないですね。

吉田:新しい購買者に結びつけるような仕掛けづくりがあればいいですね・・・。
アンバサダーの皆さんのアルファ ロメオの購買意欲は変わったのでしょうか。

島崎さん::アンバサダーになってみて、アルファ ロメオに対する思いは変わったかというアンケートでは、最初から好きなので変わらないというのが一番多いとはいえ、好意度が上がり、次の車も絶対にアルファ ロメオ という方も多くいらっしゃいます。

アルファ ロメオ営業担当の島崎さん

吉田:そういえば、We Love Alfa Romeoアンバサダーについては、オーナーに限らないので、非オーナーも多いのですよね。

馬場さん:アルファ ロメオファンは、「いつかは」「かつては」といって、いつかは買ってみたいと憧れをもっている方、もう手放したけれど本当に好き、という方たちが多いのも特徴です。
ですので、クルマを次に買うなら…という想起リストのなかに常に1位でいられるというのは重要なことだと考えています。アンバサダープログラムも、そういう意味でオーナー以外の方に喜んで入っていただきたいですし、皆さまにずっとアルファ ロメオのことを覚えていていただけるような活動を続けていきたいです。

吉田:5-10年と次の購買タイミングまで、時間が掛かるブランドには想起率をいかに上げるか、が重要になってきますよね。
最後にアルフィスティ(ファン) とブランドの将来はどのように描いてらっしゃいますか?

馬場さん:アルファ ロメオというブランドは、100%、お客さま楽しませるためにものを作るブランドです。すべてはお客さまの幸せへとフィードバックしていくことにつながります。これまでの技術を結集して、今後もクルマを通して、また、コミュニケーションを通して、その思いをお客さまに伝えていきたいと思います。

吉田: 本日はお時間をいただきまして有難うございました!

今回は、我々の生活に対しての関与が高い、そして単価も高い<車>に関してのアンバサダープログラムのご紹介でした。
高単価なため、なかなか短期的にクチコミの証明は難しいですが馬場さんの“ずっとアルファ ロメオのことを覚えていただけるような活動を”いう言葉に気づかされるものがありました。
有難うございました!

他の事例も見る

アンバサダープログラムに関するお問い合わせ

Page top