WORKS導入事例

キッコーマンがアンバサダープログラムを始めた理由、続ける理由

2020.11.24 キッコーマン株式会社

キッコーマン株式会社では、自社のデジタルマーケティングの一環として既存のお客様との関係強化のために、「キッコーマンつかお!プロジェクト(仮)」を始動しました。しょうゆでは国内シェア1位、その他ケチャップのデルモンテ、みりんのマンジョウなど多くのブランドを抱えるおなじみの調味料メーカーが包括的なファンづくりとして始めたアンバサダープログラム。ファン施策へ対する思いや、パートナーにアジャイルメディアを選んで頂いた理由などをお伺いしました。

鈴木 あすか さんキッコーマン 株式会社 経営企画室 デジタルマーケティング担当 公式SNS、ファンプログラムを担当し、ファンとのコミュニケーション強化を図っている
河野 さくらアジャイルメディア・ネットワーク株式会社 アンバサダープログラム事業部 ユニット1 リーダー
吉田 さえ子アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 マーケティング部 AMNで“寄り添う企業として”をスローガンにマーケティングを担当。

ファンともっと繋がるキッコーマンに

吉田:本日はどうぞ宜しくお願いします!
早速ですが、「キッコーマンつかお!プロジェクト(仮)」をスタートして、1年になりますね。改めて、どのような内容になっているのかお伺いさせてください。

鈴木さん:「キッコーマンつかお!プロジェクト(仮)」は、ファンマーケティングの一環として運用するアンバサダープログラムです。私の所属するデジタルマーケティングチームが担当しております。
メンバーの方には、キッコーマンの商品・レシピ情報をお届けしたり、商品モニターのご案内をしています。その感想や意見をSNSで積極的に発信していただくプロジェクトです。キッコーマンや料理に興味がある方は、どなたでも参加できるようになっています。

プロジェクトへの思いを語ってくださる鈴木さん

吉田:鈴木さんは、デジタルマーケティングチームということですが、その他のミッションはなにをされていらっしゃるのでしょうか。

鈴木さん:デジタルマーケティングチームは経営企画室の直下にあり、メンバーは私を含め4人です。私は主に、TwitterとInstagramのSNSアカウントを運用しています。ほかに一部のブランドのマーケティング施策も担当しています。
SNSの運用は、以前は違う部署が担当しておりましたが、なかなか一般のお客様と繋がる機会が少なかったことと、もっとマーケティングに活用したいということで、私達デジタルマーケティングチームで運用することになりました。

吉田:SNSのご担当をされているからこそ、前々からファンの方の声を聞かれる立場でいらっしゃられたのですね。
その中でなぜ鈴木さんがアンバサダープログラムを導入され、リードされていらっしゃるのでしょうか?

鈴木さん:SNSを通して幅広いお客様とコミュニケーションしていくなかで感じたのは、キッコーマンに興味関心の強いコアなファンの方々と繋がるしくみが社内にない、ということです。たとえば、ブランド施策や商品施策を行う際は、どうしても「トライアルや新規のお客様」を掴むことが優先されてしまいます。

吉田:新規のファンも既存のファンも大切にしたいと考えると、ジレンマを感じてしまう場面かもしれませんね。

鈴木さん:その一方で、ファンの方は商品が好きで何度も使ってくださっていたり、新商品にも強い興味をもっていることをSNSを通じて発見しつつありました。ただ、調味料というのは日常に当たり前にあるもののため、SNSで積極的に発言するということはあまりなく、ファンの声が見えづらいと感じていました。もっとファンを顕在化させて、活発にキッコーマンの商品について発言してもらうためには、アンバサダープログラムのようなものが最適だと思いました。

吉田:サイトを拝見するといくつかファンプログラムのようなものがあったのかなと思うのですが、従来のものと「キッコーマンつかお!プロジェクト(仮)」はなにが違うのでしょうか。

鈴木さん:単体のキャンペーンとしてはいくつか実践していました。ただ、これらは期間が終わると、そこでお客様との繋がりも終わってしまうことがほとんどでした。なにかこう、せっかくマインドが上がったところで次の行き先がないというか・・・(汗)
せっかく繋がったお客様との関係が、その後生かされないままになるのはもったいない、という反省がありました。
そのため、アンバサダープログラムを実施し、継続してお客様との関係をつくっていきたいと考えていました。デジタルマーケティングのチームでは「いいね」「やってみたいね」という積極的な声が以前より出ていましたし、ロイヤリティの高いお客様の声をもっと聞きたいということで社内にも提案しました。それで、提案者ということで、私が担当し、始めることになりました。

吉田:そういえば、アジャイルメディアでは最初、ブランド横断より「キッコーマンしょうゆ」など商品単品に絞って実施したほうがいいのでは?という提案をしましたね。なぜブランド横断にしたのでしょうか?

「キッコーマンつかお!プロジェクト(仮)」のアジャイルメディアの営業担当:河野さん

鈴木さん:はい、横断のプロジェクトとすることで、そこにいろんなブランドが乗っかって活用できるようにしたかったからです。そうすることで、従来は各ブランド担当がゼロから構築して行うような、ファンへの呼びかけや商品モニターなども、気軽にチャレンジできるようになると思いました。

吉田:アンバサダープログラムに対する上司や経営層の方の反応はいかがでしたか? 期待できる効果は何かなど、説明資料としていろいろ求められるということはありましたか。

鈴木さん:当初よりアンバサダープログラムの運営にはパートナー企業が必要と考えていました。そこで、いくつかの企業に話を聞いて、それぞれの予算感と、それからクローズドなコミュニティ型か、アンバサダープログラムのようなSNS情報発信型にするのか、メリットデメリットをまとめてプレゼンしました。稟議自体は、デジタルマーケティングチームが運用するということで、わりとすんなり通りました。いきなり目に見える効果を期待するというよりは、何ができるかを見るために、まずはやってみようよ、という感じだったんです。

吉田:それで弊社アジャイルメディアに、パートナーとして声がけ頂いたんですね。最初お問い合わせをいただいた時、すごく覚えています。笑

鈴木さん:ホームページのお問い合わせ欄から、ご連絡しました。笑
その当時、アジャイルメディアネットワークさんには徳力さんがいらっしゃって、上司が徳力さんの本を読んでいたのがきっかけでした。それに加えて担当の河野さんと村井さんがとても丁寧に企画の提案をしてくださったので、ものすごく説得力がありましたね(笑)。

吉田:本当に嬉しいお話です。

鈴木さん:何より、弊社に対して親身になって、そして率直に意見をしてくれるところが信頼できる、と感じたのを覚えています。フラットな立場で意見交換できるのは、とてもありがたいです。それはいまも同じですね。

吉田:ありがとうございます。そして導入をして頂き本格始動されたと思うのですが、アンバサダープログラムのKPI設定はどうされていますか?

鈴木さん:いまはアンバサダープログラムの登録人数をKPIにしています。300人ほどの方がアンバサダーとして登録されており、さらに増やしていきたいです。
それ以外にも、ファンの力を数値換算してあらわし社内で指針とできるようなものは集めて効果測定に積極的に使うことで、定性的になりがちな評価や成果を「見える化」していきたいと思います。

ファンの目線と「いつでも相談できる身近なファン」の存在の重要さ

吉田:現在までモニターやアンケートといったファンの声を聞く企画をされていらっしゃいましたが、どういった感想をお持ちでしょうか。

鈴木さん:まず、全般的にみなさんの意見がとても丁寧で細かく書かれてくることに感激しています。たとえば、商品のモニターキャンペーンでは、普通だったら面倒くさいフリーアンサー欄も、何行も書いていただけるんです。募集する前はひとことくらいじゃないか?と予想していたのでびっくりしました。
それから、良いことも悪いことも率直に教えていただけるんだなと感じました。パッケージの写真と実物の差とか、「思っていたものと違う」のようにものすごく正直に感想を書いていただけますね。モニター施策では、写真の投稿はマストではなかったんですが、ほとんどの方が、作ったレシピを写真付きでアップしていただいていて。熱量の高さを感じました。

吉田:アンバサダーの方々の投稿を拝見しましたが、写真も文章も丁寧に書いて頂いていますね。その後、アンバサダーの声が店頭のPOPやWeb広告に反映されたと聞いたのですが。

鈴木さん:こんな時にぴったりの商品ですよ、とか、アレンジしてみたよ、などの声を、商品紹介動画の中で、お客様の口コミとして入れさせていただきました。また店頭POPにも反映しています。
許諾を取るためにそれぞれの方にご連絡したのですが、みなさん「私のでよかったらぜひ使ってください!」という感じで本当に快く承諾いただいて、嬉しかったです。動画完成後はみなさんにも内容をお送りしました。お客様の生の声が入っていることで、第三者の説得力のある仕上がりになったなと思います。
また制作に携わった販促担当からも高評価でした。

吉田:そういった、自分の声がメーカーの宣伝に役立つ、というのもファンにとってはすごく嬉しいことだと思います。

鈴木さん:そうだったら嬉しいです。アンバサダーの方々の声を「ただ集めただけ」ではなく、カタチにすることで、思い出になるようなコミュニケーションができたかなと思っています。

吉田:最近でもアンバサダーの声を聞くアンケートを実施されたようですがいかがでしたでしょうか。

鈴木さん:そうですね、新型コロナウイルスのさ中、何かできることはないかと悶々とした気持ちを抱いていた時期に、食生活に関するアンケートへのご協力をお願いいたしました。
知りたいレシピの回答の中に「旅行に行けないいまだからこそ、世界の料理をテーマにして旅をしている気分を味わいたい!」とお声をいただき、実際にTwitterで世界の料理レシピを紹介しました。投稿の反応がとてもよく、やってよかったな、と思いましたね。
改めて、「何かがあったときにはすぐに相談できるというファン」の存在というのは、大きな価値だと実感しました。

吉田:ちなみに、鈴木さんご自身はSNSの運用をされていて、新型コロナウイルスの状況を経てなにか変わったなと感じられましたか?

鈴木さん:在宅勤務や外出自粛といったことがあったために、私たちもお客様も、全体としてSNSやインターネットの情報に触れる時間が増えたと思います。接する情報量が増える中で、「お客様がどんな情報を求めているか」「自社のどんな情報がお役立ちに繋がるか」ということを、より真剣に考えるようなったと思いますし、リアルでの接点が減った分、お客様とのソーシャル上での繋がりがより大切になったと感じました。

吉田:少し前からTwitterで御社の商品に対してのTweetを公式アカウントでお返事をされるのを始められたように思うのですが、そういった思いをお持ちだからだったんですね。

鈴木さん:前々から、もっとコミュニケーションをとっていきたいなと感じていました。お客様が生活の変化でストレスを感じたり情報に敏感になるなか、製品やブランドを選ぶ視点は、より厳しくなっていると感じています。そういう時代だからこそ、たくさんある製品からどう選んでいただけるか、選ばれる理由をどう作るかが重要になっています。それを踏まえた上で、「キッコーマンの商品が好き」だったり「キッコーマンのアカウントはなんかいいな」と思っていただけるよう、SNSでのコミュニケーションやアンバサダーとの取組を通して、選ばれる理由づくりの一端を担いたいと思っています。

吉田:SNSを通してお客様との接点を増やそうとされているのかな、と思うのですが、そういえば鈴木さんがTwitterを活用し企業横断企画を始められていましたよね。

鈴木さん:はい、コロナ禍で自宅での料理の機会が増えている状況をうけて、食品メーカー8社の横断で「#うちで食べよう」という企画を実施しました。各社が1つのテーマにあわせて、レシピを投稿する企画だったんですが、キッコーマンだけで投稿するより、もっと幅の広いレシピを取り上げられたら、お客様の役に立てるのではないか、と思って各メーカーに声をかけました。その後、取組みを17社に広げて「#うちで夏祭り」という企画も実施しました。社内でも「あの企画、いいね」、ってポジティブな声を多くもらえましたね。家の食卓をみると、それぞれのメーカーの商品が協力しあっておいしい料理をつくっていて。自社目線だと競合と捉えてしまうのですが、お客様視点では競合ではないんですよね(笑)これからもお客様視点での企画づくりにチャレンジしたいと考えています。

吉田:私も実際に期間中にレシピを拝見して作ってみたのですがTwitterをフォローしているだけでタイムラインにレシピが表示されて自粛期間は料理に困っていたので、助かりました笑。
困ったときにはキッコーマンさんのTwitterを見ればなんとかなる!といった意識になれるのは日本の食卓の強い味方であるからこそだな、と感じます。

アンバサダープログラムの継続に向け社内でのアピールも

吉田:開始から1年経って、見えてきた課題や新たな目標はありますか?

鈴木さん:「いろいろと相談できる」ファンの方に、今後もっと活躍していただきたいので、社内へアンバサダープログラムとファンの価値をもっと周知して、ブランド施策で積極的に活用してほしいと考えています。
いつかではあるのですが、ファンとなにかしらをカタチにする「共創」は実現したいと思っています。
ファンとの商品共創はとても魅力的ですが、今はハードルがあります。そこで、食品メーカーでは製品ごとに「キラーレシピ」と呼ばれるイチオシレシピをシーズン毎に考えているのですが、それをファンの方々と一緒に作るというのは、近いうちに実現したいと思っています。
それ以外の課題としては、やりたいと思った施策をまだまだやり切れていないということですね(笑) アジャイルメディアネットワークさんにはパートナーとして忖度のない意見をこれからもいただいて、本当にファンの方に喜んでいただけるようなプログラム運用ができるよう、取り組んでいきたいです。

吉田:定量化しづらいアンバサダープログラムの価値や効果は、理解していただくまでが難しい部分でもあります。

鈴木さん:そうですね。まずは、社内へアンバサダープログラムの存在と価値を伝えていくことは強化しなければいけないと思っています。ブランド担当が施策を考える際に、「アンバサダープログラムで何かできないか」と思いつくように、アンバサダーの活躍の場を広げていきたいと思います!

 

——今日はありがとうございました。

 

会社として初めてのインタビューということでとっても緊張していたのですが、鈴木さんのお人柄もあり楽しくお話しをお伺いできました。
今後のアンバサダーのお話をする中でも、アイディアをたくさんお持ちで今後さらに目を離せないプログラムとなりそうです。
インタビュー内には入っていないのですが、つい「鈴木さんって会社のこと好きっていうのが伝わってきます」とお伝えしたら「そうなんです…」と答えられていました!
そんな鈴木さんの1番のおすすめ商品は「いつでも新鮮 あごだししょうゆ」「ウルトラソース ごちそう食感」だそう。担当の河野も口にしたことがあるようなのですが、「すっごく美味しかった!」とのことです。
鈴木さんがお勧めされる商品。。。食べてみたい!!!

こちらのインタビューは、新型コロナウイルスの感染対策をした状況下で行っております。

アンバサダープログラムに関するお問い合わせ

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