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ジョン・バッテルの『台頭する独立系オンライン・メディアブランド』をどうぞ

2008年05月20日 お知らせ

Federated Media Publishing (FMP)のJohn Battelleが先月、自らのブログ”Searchblog“でオンラインでのマーケティングとブランディングに関する考えを記したエッセイ “The Rise of Independent Media Brands Online“を公開しました。「カンバセーショナル(会話型)マーケティングとは何か?」。この問いに対する解答、あるいはその答えを見つけるための手がかりとなる洞察に富んだこのエッセイを、筆者の許可を得て翻訳・掲載します(読者間での「会話の広がり」を示したいとの考えから、本文のほか読者コメントの一部も含めてみました)。マーケティング、メディア、ネットビジネス他の今後を考える糧としてまずはお楽しみください(坂和)


台頭する独立系オンライン・メディアブランド
文:John Battelle (FMP)
翻訳:伊東奈美子(NADAC)
[オリジナル・ポスト:4月1日]
30secspotwebgoogleresults-tm.jpg前回の長いエントリでは、オンラインメディアの生態系において広告配信ネットワークが果たす役割を考察するとともに、ポータル企業からブランドに詳しい幹部たちが流出していることと、それらのポータル企業を救うものとして広告配信ネットワーク/プラットフォーム関連の戦略が台頭してきたことの間には明白なつながりがあることを指摘した。
あのエントリの最後で、私は次のように書いた。

パブリッシャー(メディア企業)のなかにも、ブランドのマーケターのなかにも、「魔法のような広告配信プラットフォームが出現し、何らかの方法でオンラインにおける自分たちのニーズに応えてくれる」と信じている人間はいない。確かに、今後もブランドマーケターは低単価のダイレクトレスポンス広告–誰かが反応してくれるのを期待して、大量の広告をところかまわず掲載するような(”pray and spray”)タイプの広告–や認知向上キャンペーンに、マーケティング予算の5〜15%を費やすだろう。パブリッシャーの側も、自動広告配信システムが勝手に空き枠を埋めてくれることに満足しており、小躍りしている者さえいる。それでも、この種の広告配信ネットワークが、雑誌の見開き広告やテレビの30秒CMがオフラインで生みだしてきたのと同じエンゲージメントやブランディングの機会を提供してくれるとは、パブリッシャーもブランドマーケターも思っていない。
では、彼らが求めているものとは何なのか。その答えを探るためには、一歩下がってメディアブランドとマーケティングブランドについて考えるとともに、両者が一種の共生関係にある理由を検討する必要がある。ブランドは私が「パッケージド・グッズ・メディア(”packaged goods media“)」と呼ぶものをつくりあげてきた。そのことに疑問の余地はない。そして、ここ数年で、私はオンラインメディアに関しても同じ結論に至った。手短に言えば、「有力なオンラインメディア企業をつくり出すのもブランドである」ということだ。また、つい最近まで私はYahoo、AOL、MSNの3社がそうしたオンラインメディア企業の最有力候補だと思っていた。だが、いまではそのことに確信が持てない。

興味深いことに、このエントリを公開した後、広告配信ネットワークにとっては逆風ともいうべき情報が巷にあふれた。ひとつのきっかけは、ESPNが広告ネットワークとの契約を完全に切ったというニュースだ。この件については後に改めて論じることにする。
ブランド
まずは、私がブランドに感じている大きな魅力と、「ウェブを次の段階に進化させるためには、ブランドが非常に重要な役割を果たす」と考えている理由を述べたい。
ブランドに関する定義はいろいろあるが、私の定義は次の通りだ(もちろん、完全にオリジナルというわけではない):「ブランドは潜在顧客の会話によって定義される」(”a brand is defined by what its potential consumer says to others about that brand.”)
もっと形式的で記号的な表現(すなわちアルゴリズム)もあると思うが、それではおそらく拡張性がない。そして、そこが肝心なのだ。
突き詰めて言えば、「ブランドとは、消費者がその製品やサービスについてかわす会話によって決まる」。(この考えが「クルートレインマニフェスト」デイヴィッド・オグルヴィ、さらには広告の黎明期に活躍したクロード・ホプキンスのような過去の偉大な思想家たちの知恵に多くを負っていることはいうまでもない。ホプキンスはダイレクトレスポンス広告とブランド広告をつなぐ存在といってもいい)。
従来型メディアにおけるブランド広告とは、想定する潜在消費者の脳内に何らかの方法で入り込み、メディアを通じてメッセージを伝達することで「ブランドエクイティをつくり上げる」ことを意味した。要するに、それは「潜在消費者が広告にふれた後でかわす会話に影響を与えようとする試み」だった。
それに対して、会話型(カンバセーショナル)のメディアやマーケティングでは、このコンセプトが「タイムシフト」する。つまり、カンバセーショナル・マーケティングの手法を用いれば、企業はこうした会話に「加わる」ことができるだけでなく、ブランドに関する会話を「自らが始め、そこに人を集める」こともできるのだ。カンバセーショナル・マーケティングを実践するには、従来とは異なるスキルセットが求められる。メディア関係者は、このスキルセットを模索しはじめたところだ。いまはすべての関係者–コンテンツの作り手、マーケター、消費者–が満足できる形で、この新しいメディアをマーケティングに活用する方法を探っている段階だ。つまり、われわれの前には非常に興味深い作業が待っていることになる。
変化ははじまったばかり
目を閉じて、好きな雑誌をぱらぱらとめくっている自分の姿を想像してほしい。たとえば高級ファッション誌「Vogue」を眺めているとしよう。ある見開き広告を見たとき、ページをめくる手がとまった。洗練された美女が、ハバナの崩れかけた建物の戸口に立っている写真。右下の角には「Lancome」(化粧品)というブランド名が優雅に記されている。あるいはビジネス誌「Fortune」を読んでいるとき、Jaguarの新車の広告に目を奪われた。斬新なデザインの車を主役に据えた、モンタージュ風の印象的な広告だ。
さあ、目を開けてみよう。そして想像してほしい。同じような経験をオンラインでしている姿を・・・。
なかなか思い浮かばないって?(大丈夫、君だけじゃない
マーケターはスケール感を好み、安全と質を求める。でも、エンゲージメントを生みだす方法はまだモノにできていない。
従来型メディアを使ってブランドに対する需要を喚起するのは、ブランドマーケターが得意とするところだ。われわれは半世紀をかけて、読者を釘付けにする見開き広告や視聴者の物欲に火をつける30秒テレビCMをつくるノウハウを完成させた。しかしオンラインでは、こうしたノウハウはまだ確立されていない。
インターネットの商用利用が始まってから最初の十数年間は、ダイレクトレスポンス広告が主役だった。企業は低単価の広告配信ネットワークやクリック課金型(CPC)の広告に、「ブランディング用ディスプレイ広告」の予算を注ぎ込んだ。文字通り、あらゆることが試された。お気に入りのサイトにはディスプレイ広告も掲載した。しかし、結果は往々にして期待を裏切られるものだった。
IAB(Interactive Advertising Bureau)会長のWenda Harris Millardは以前(ブランド広告枠のコモディティ化に言及しながら)「広告在庫を豚のバラ肉のように扱ってはならない」(”We must not trade our advertising inventory like pork bellies.”)と言っていたが、彼女のこのフレーズを借りて「ブランドを豚のバラ肉のように扱ってはならない」(”we must not trade our brands like pork bellies”)」と言うことができると思う。確かにブランドは日用品(コモディティ)とは違う。だとすればなぜダイレクトレスポンスの基準でオンラインマーケティングの効果を判断しようとするのか。単に可能だからか?それとも、崩れかけた建物の戸口に立つ美女のイメージを見たときに、消費者の脳内で起きる魔法を測定する方法がわからないからだろうか?
ブランドの価値を訴求しつづけるためには、マーケターはオーディエンスの向かうところへ行かなければならない。調査会社Comscoreの発表によれば、いまでは毎月6億人がカンバセーショナルメディアに分類されるサイトを訪れているという。これらのサイトは、ブランドマーケティングにとっては「異国」のような場所・・・本当にそうだろうか?
comscore CM-tm.jpg
はっきり言っておこう。カンバセーショナルメディアでブランド構築をなしとげることは十分に可能だ。実際、こうした動きはすでにはじまっている。いまは試行錯誤しながら「ウェブ版の30秒テレビCM」–つまり、効果的で拡張性も高い標準フォーマットを見つけようとしている段階だ。紙媒体の広告やテレビCMの世界には標準がある。インターネット広告の世界にもIABが定めた広告規格があるが、ブランド構築の観点からいえば、紙媒体の広告やテレビCMの域には達していない。
でも、それは大きな問題ではない。ウェブの商用利用はたかだか十数年の歴史しか持たず、人間でいえば十代の子供だ。Marc AndreessenがMosaicブラウザを発表してから、まだ15年もたっていない。ちなみに、商用テレビ放送が15周年を迎えたのは1956年–Elvis Presleyが全国放送のテレビ番組にはじめて出演した年だった。当時はニュースの全国放送が始まったばかりで、アメリカ初の30分間連続ドラマ「As The World Turns」の初回が放送され、ゲーム番組「The Price Is Right」の人気が沸騰しはじめていた。商用品質のビデオテープレコーダーが登場し、白黒ポータブルテレビが発売され、シカゴのテレビ局が全国に先駆けてローカル番組のカラー放送を開始したのも、この年である。30秒のスポットCMはまだ傍流で、広告の主流はスポンサーシップとインテグレーションだった(そう、映画「ヘアスプレー」の世界だ)。
コンシューマーブランドはメディアブランドを好み、そしてメディアブランドは変わりつつある

ネットにおけるブランドマーケティングの可能性は未知数だが、確実に言えることがひとつある。それは、「コンシューマー(向けの)ブランドはメディアブランドを好む」というものだ。なぜか? 第一級のメディアブランドは、特定のテーマに関心を寄せている情熱的なコミュニティを代表しているからである。人気の高いメディアブランドを思い浮かべてほしい。「American Idol」「Wired」「Oprah」「The New York Times」・・・。どのメディアも並外れて熱心なオーディエンスを擁している。コンシューマーブランドはこうした「勝ち組」のメディアに惹き寄せられる。なぜなら、ブランドは良質なイメージを伝えたいと願っているからだ。もうひとつの理由は、「うまくいけば魔法のような作用が起き、消費者の思考に好ましい影響を及ぼせる」と知っているからである。
以前にも書いたが、ネット上の「メディアブランド」の顔ぶれは劇的に変わりつつある。初期のウェブでは、少数の「巨大ブランド」–具体的にはYahoo、Excite、MSN、AOLの四強–がオンラインメディアの世界を独占していた。その下にはLycosや(もとはメディアブランドではなかったが)Netscapeといった中規模のブランドも控えていたが、この四強が桁外れのリーチを武器に、出稿企業のオンライン広告予算を独占していた。オンライン・メディアブランドの最上層と第二層の差は大きく、第三層以下(Hotwired、Salonなど)となると、その差はさらに広がった。つまり、「ほどほどに人気のあるケーブル番組」や「それなりに売れている消費者向け雑誌」に相当するメディアブランド–具体的には25万〜200万人程度のユニークユーザーを持つメディアブランドをウェブ上で構築することは、ほとんど不可能だったのである。
なぜか?まずブランド(=広告主)がその価値を認めなかったし、大規模なメディアバイイングを行うことも難しかったからだ。従来型メディアの場合、たとえば数百万人のビジネスリーダーに到達したいと思ったら、広告主は6誌のビジネス誌、あるいは6つのケーブル番組の広告枠を押さえ、そこに同じ「クリエイティブ」(注:コピーやビジュアルを含む、オーディエンスにとどくメッセージ)を出せばよかった。効果は明らかだった–ブランドの認知度は上がり、イメージは改善され、売り上げは伸びた。ひるがえって、オンラインではどうだろうか。同じクリエイティブの広告を掲載できるような同種のサイトを6つ見つけるのは困難だった。たとえ見つかったとしても、結果は出なかった。IAB規格の小さな広告で、雑誌の見開き広告やテレビの30秒CMと同じ効果をあげられるはずがない。見るべき結果を出すには大量に広告を掲載する必要があったが、それだけの金額を支払おうという広告主はいなかった。
こうした経済的事情により、広告単価が下落した。それに、IAB広告の可測性も災いした。マーケターはIAB広告の出稿効果を調べ、ダイレクトレスポンス型キャンペーンの費用対効果と比べるようになった。それは規模と安さを争う競争だった(”It was a race to the lowest common denominator.”)。大量のトラフィックを持つポータルは、エンゲージメントの質を競う代わりに大量の広告を叩き売るようになり、その結果、広告単価がさらに下がるという悪循環が生じた。
そして現在の状況
あちこちで報じられているように、いまはウェブ上の広告スペースの80%以上が1ドル未満のCPM(表示回数1000回あたりの単価)で売られている。それに対して、雑誌広告やテレビCMの平均価格はというと、情報源にもよるが概ね6〜40倍も高い。この価格差について私は「エンゲージメント」に起因した現象と考えている。
別の見方をすると、たとえば18〜34歳の女子大生や大卒女性にリーチしたいと考えているブランドは、CPMが40ドルでも「ヴァニティーフェア」(ファッション誌)によろこんで広告を出す。でも、広告ネットワークには3ドルしか払おうとしない。これはなぜだろうか。
最大にして最も重要な理由が、エンゲージメントの違いだ。「Vanity Fair」の読者は、この雑誌と強い「絆」で結ばれている。このような読者が「Lancome」の広告を目にしたときに脳内で「魔法」が起きる確率は、広告配信ネットワーク経由でランダムに表示される広告を見たときの何倍にもなる。そして、二つめの理由は「クリエイティブ」の違いだ。ブランドのメッセージを伝える手段として、雑誌の見開き広告がオンライン広告よりもはるかに効果的であることは否めない。
では、この二つの問題を解決するにはどうすればいいのか。
カンバセーショナルメディアの登場によって、ウェブはすでに第一の問題を解決しはじめている。この十年間で何千ものすぐれたサイトが登場した。その成長を後押ししたのは検索(技術)、オンラインユーザーがクリティカルマスに達したこと、そして安価な–ときには無料のプラットフォーム–LAMPと総称されるオープンソース技術群、無料の情報発信ツール、多種多様なWeb 2.0系サービスなど–が大量に登場したことだ。「Boing Boing」「ProTrade」「Graffiti Wall」「Dooce」「Left Lane News」「TechCrunch」といったサイトは、読者と密な関係を築くことに成功した「メディアブランド」だ。ウェブならではの経済性のおかげで、これらのサイトは莫大な資金がなくても、多くの読者やユーザーを集め、運営をつづけることができる。そしてメディアビジネスの経済を変える新しいアプローチ–私たちの会社FMPもそのひとつだと確信している–が登場したことにより、これらのサイトはコストを回収し、ときには相当の利益を生みだすことさえ可能になった。
こうした新しいサイトに見られる興味深い特徴は、その多くが従来の大手ネット企業から資本的にも経営的にも独立していることだ。それは数字にもあらわれている。ウェブを代表する20サイトのうち、特に著しい成長を遂げたサイトは双方向の情報交換–つまり「会話」を実現するプラットフォームやツールを採用している。カンバセーショナルメディアのブランドを生みだしたのも、まさにこうしたサイトである。彼らと比べると、「旧世代」に属するポータルやメディアサイトの成長率ははるかに低い(下図参照)。この点について、JP Morganは次のように述べている。「ポータルがシェアを独占していた時代もあったが、オンライン滞在時間に占めるYahoo!、AOL、Microsoftの割合は、2002年8月の42%から2007年8月には29%以下に落ち込んだ。一方、ブログ、オンラインゲーム、ソーシャルネットワーキングサイトのページビューは前年比数十〜数百倍のペースで伸びている」。
200804011135-tm.jpg
いままさにオンライン・メディアブランドの爆発的な増加が始まろうとしていると、私はそう確信している。ブランドの爆発的な増加は、1940〜50年代には消費者向け雑誌で、1980〜90年代にはケーブルテレビの分野で起き、それまで数えるほどの大手ブランドしか知らなかった消費者に何百もの選択肢をもたらしたが、これらのブランドはすべて大手コンシューマーブランドのマーケターに支えられていた。さらに、ウェブでは雑誌やケーブルテレビの時とは桁違いの選択肢が生まれる可能性がある。AOL、Yahoo、MSNなど数えるほどしかなかったメディアブランドは、これから数千、あるいは数万に増えるかもしれない。
ただし、そのためには二番目の課題–つまり、クリエイティブの制約を解決する必要がある。そしてこれこそ、カンバセーショナル・マーケティングが真価を発揮する部分だと私は考えている。
三部作の最後を飾る次回の記事では、一年前の記事をアップデートする予定だ(ちなみに、この記事は第二部にあたるが、もうすぐ終わる。最後までお付き合いいただいたことに感謝)。前回の記事では過去12カ月の事例をもとに、カンバセーショナル・マーケティングの概要を説明した。その後、すぐれたアプローチがたくさん登場したので、まとめてレビューする価値があると思う。新しいアイディアもいくつか披露するつもりだ。そしていつも通り、読者諸賢の批評とコメントから学びたい。

*この部分はFMのCM Summit(6月@ニューヨーク)とWeb 2.0 Summit(11月@サンフランシスコ)用に書いたものを編集した。
投稿者:John Battelle、投稿日時:2008年4月1日午前11:59
コメント
クライアントとブランド戦略を立てていると、大企業がこうした新しい現実(とチャンス)に適応することのむずかしさを痛感させられることが多い。
大きな課題のひとつは、マーケターの仕事が依然としてコミュニケーションに限られていることだ。マーケターの仕事には会社が「言うこと」のすべてが含まれるが、「すること」はほとんど含まれない。マーケターが製品開発部門の担当者とやりとりするのは、たいてい商品がすでに「完成」し、市場に出る準備が整ってからだ。ビジネスのやり方、商品、パートナーとの関係といった現実を変えることができないのに、市場と本物の会話をすることはむずかしい。
一部の組織では(通常はCEOや幹部社員のかけ声で)状況は変わりつつあるが、変化は亀の歩みでしか進んでいない。
投稿者:Michael Megalli、投稿日時:2008年4月1日 午後12:23
John
どれも鋭い指摘で、まったくその通りだと思う。私もCPMを決定する大きな要因はエンゲージメントだと考えている。実際、より多くの「エンゲージ」されたユーザーにリーチできるなら、(通常の広告料金に比べて)相当高い金額を支払ってもいいというブランドは存在する。これは忠実なユーザーを抱えるサイトに限らず、ユーザーと広告主を強い絆で結ぶことを意図したキャンペーンについてもいえることだ。この種のキャンペーンでは、ユーザーは広告に接触したあとになっても「(出稿主の)ブランドについて話す」傾向がある。同じことをオンラインでも実現できれば、コンシューマーブランドから有利な条件で多額の予算を獲得できるだろう。多くの場合、IAB準拠広告はこの目的には適さないし、新しいフォーマットが求められていることはまちがいない。この点についてはPiper Jeffrey社のアナリストがくわしい論文を書いて、興味深いコンセプトをいくつか披露している。では。
投稿者:Gianluca Carrera、投稿日時:2008年4月1日 12:43 PM
すばらしい記事。メディアの人間にとっては刺激的な時代だと思う。変化を楽しんでいきたい。
投稿者:John Wesley、投稿日時:2008年4月1日 1:03 PM
すごくいい記事だったよ、John。100%同意する。僕はFMが相手にしているようなメガブランドではなく、小中規模の企業と仕事をすることが多いが、彼らも変化を察知している。「会話に参加しなければならない」ってことに気づいているんだ。たくさんのニッチがあって、クライアントはそれぞれの分野のリーダーにむらがっている。たとえば今日話をした不動産業者は、有名どころの不動産系ブログの名前をすらすら口にしていた。あらゆるニッチに「TechCrunch」的な存在があり、そこでは会話が生まれているんだ。クライアントを見ていると、そうした会話がトラフィックやきっかけを生みだし、彼らのもとに見込み顧客を引き寄せていることがわかる。
投稿者:peter caputa、投稿日時:2008年4月1日 午後3:43
印刷機が発明されたときも大きな混乱が起きた(このあたりの話はE. Eisensteinの古典的著作が参考になる)。
でも、印刷機が「出版された(published)」テキスト(CopernicusやNewtonの著作など)の普及を可能にしたのに対して、インターネットが可能にしたのはテキストを「公開する(publishing)」ことだった(これを君は「カンバセーショナルメディア」と呼んでいる)。でも、「Vanity Fair」や「TechCrunch」といったブランディングはもう古い。「Adidas」や「Nike」並みにね。これからの「ブランド」は「家」「車」「ホテル」みたいに、マーケターと消費者の両方が共有できる言語になると思う。だれもが理解できる言葉でなければならないんだ(したがって、これはいわゆる「自然」言語になる)。
「Vanity Fair」といったブランド名を「調べる」人はいなくなるだろう。その代わり、人々は「ファッション」「デザイン」、あるいは「衣服」「アクセサリー」といった言葉を探すようになる。これからは自然言語ウェブサイトがWWWのINDEXになるんだ。
投稿者:nmw、投稿日時:2008年4月1日 午後4:09
ウェブ以前には、これほど直に反応できるメディアはなかった。すくなくとも、ウェブに匹敵するレベルでは皆無だ。それでも、反応がダイレクトにわかるテレビやラジオはコンシューマーブランドやメディアブランド(Nordic Track、QVCなど)を生みだし、うまくやれば驚異的なROIさえ達成できることを証明してみせた。
広告界の不滅の巨人たち–広告の基礎をつくりあげた人々が現代の「ブランディング」をみたら、墓のなかで悶絶するにちがいない。彼らは君の質問–「崩れかけた建物の戸口に立つ美女のイメージを見たときに、消費者の脳内で起きる魔法を測定する方法は何か」–に対する答えを理解していた。オンラインブランドが絶縁される理由もそこにある。重要なのは、消費者がイメージを見たときに何が起きるかを測定することじゃない。その結果を測定することだ。結局のところ、広告の存在意義は「売る」こと以外にないのだから。
ウェブは広告支出やクリエイティブやビジネスを最適化する役には立つだろう。「ダイレクトレスポンス」も「ブランド」ももうない。あるのは「いくら使ったか」と「どのくらい利益があがったか」に対する答えだけだ。単純であれ!
投稿者:Jonathan Mendez、投稿日時:2008年4月1日 午後9:06
ハロー、John
視聴者のエンゲージメントに関していえば、Ultramercial.comがあなたが探している「ウェブ版30秒スポットCM」にあたるのでは。彼らは5年以上前から「アテンション・アズ・ペイメント」と呼ばれる広告形式を展開している(特許も取っている)。彼らは出版社を赤字から救っただけじゃない。広告の視聴と引き換えにWi-Fiを無料で利用できるようにしたおかげで、デンバー国際航空では顧客がネットに接続する回数が、多いときは日に6000 回にもなった。有料モデルしかなかったときは約500-600回程度だったのに。
彼らは携帯電話市場でも大成功をおさめている。Virgin Mobileの「Sugar Mama」プログラムとか。これはエンゲージメントの有効性を示すゆるぎのない証拠だと思う。
投稿者:Lori Jones、投稿日時:2008年4月2日 8:56 AM
コンシューマーブランドはメディアブランドになって、オーディエンスのアテンションを自力で獲得するべきだ。メディアサイトから拝借するんじゃなくてね。どのコンシューマーブランドにも独自の個性とストーリーがある(メディアブランドも同じ)。そういうストーリー/個性を、同じように独自のストーリー/個性を持つメディアサイトに貼った広告を通して伝えるのはむずかしい。ウェブでブランディングを達成することは十分に可能だと思うが、それは現状のようなディスプレイ広告を通してではない。この種の広告はコンテンツに興味を持って、そのサイトを訪れている人のアテンションをかすめとろうとしているにすぎない。ウェブのディスプレイ広告はダイレクトレスポンス広告のツールとしてさえ、ほとんど機能していないし、効果は下がりつづけている。
投稿者:Jeremy Greenfield、投稿日時:2008年4月2日 午前9:09
この記事を読んで、Boing Boingにアクセスしてみた。広告配信ネットワークやFMが、BMWのような偉大なブランドの広告の横に、wannabe Zwinkyの広告をはりつけているのを見て実に感銘を受けたよ。
これがメディアにおける次の大きな変化なのだとしたら、彼らはホームページを売りに出すか、表示される広告の種類や位置を管理できるようにするべきでは
FMのCPMは安くない・・・・・・ブランドが10〜20ドルのCPMを払って広告を掲載しているサイトが、Tribal Fusionに1ドルあたり数セントで広告スペースを売っているとしたら問題だ。
投稿者:Colonel Minnesota、投稿日時:2008年4月2日 午前9:34
素晴らしい指摘だ。確かにエンゲージメントこそ、広告主(ブランド)の心をつかむ道だと思う。いまやインターネットは人々が集い、さまざまな活動に没頭している場所だ。Nielsenにも我が身をふりかえって、厳しく自問してもらいたいものだな。そろそろ目を覚まして、改善に取り組むときだ。
投稿者:Evan Siegel、投稿日時:2008年4月2日 午前9:41
全体としては賛成だ。確かにオンラインメディアは進化の途上にある(つまり、これから新しいコンテンツサイトが続々登場するだろうってこと)。でも、私自身が「会話型サイト」でマーケティングをした経験からいわせてもらうと、この記事に足りないのはパフォーマンスの議論だと思う。これまでに私はさまざまなメディア/クリエイティブ手法を試してきた。ごく一般的なバナー広告もやったし、つくりこんだCGMキャンペーンを手がけたこともある。でも結局わかったのは、新しいメディア(あるいは進化の途上にあるメディア)だからといって、読者がYahoo!メールより、会話型メディアサイトでのマーケティングに反応するわけではないということだ。
もちろん、これはたくさんの可能性を秘めた新しい方向性だ。マーケターが消費者と「関係を築きたい」と思うような場所が、本当に爆発的に増えるのかもしれない。でも根本的な疑問は残る。それは、消費者も「関係を築きたい」と思ってくれるかどうかだ。
この問題が次の記事で取り上げられることを願うよ!
投稿者:Chris Kilkes、投稿日時:2008年4月2日 午前9:47
@Jeremy Greenfield
「ウェブでブランディングを達成することは十分に可能だと思うが、それは現状のようなディスプレイ広告を通してではないだろう。この種の広告はコンテンツに興味を持って、そのサイトを訪れている人のアテンションをかすめとろうとしているにすぎない。ウェブのディスプレイ広告はダイレクト広告のツールとしてさえ、ほとんど機能していないし、効果は下がりつづけている。」
でも、現在の紙媒体や放送媒体がもはや広告の天国とはいえないことにも、われわれは気づいているのでは? 現代の視聴者はADD(注意欠陥障害)を持っているようなものだ。多くの人が「ながら視聴」をするか、従来型の広告メッセージをスキップしている。年配の視聴者の間では、この傾向はそれほど顕著ではないかもしれないが、昔と比べれば多い。人々はチャンネルを次々と変え、テレビをつけながらウェブを見ている。デジタルビデオレコーダーを使ってCMを早送りし、そうでなければCMが流れている間は近くにいる人と話したり、雑誌をめくったりする。テレビのような受け身のメディアにおいてさえ、われわれは視聴者のアテンションを奪い合っている。
ウェブの利用は毎年伸びており、多くの人がウェブを日常的に利用するようになった。人々はテレビ、ラジオ、ウェブ、そして携帯電話に囲まれて生きている。彼らが自分からメッセージを聞きにいくことはない。彼らの条件にマーケターがあわせるんだ。
それと、ディスプレイ広告の効果をCTR(クリックスルーレート)のようなダイレクトレスポンス指標で図ろうとするマーケターがいまだにいることには唖然(あぜん)とする。それは雑誌やテレビ広告の効果を、「広告を見たとたんに雑誌を閉じ、テレビを消して、その商品を買いに行く人」の数で測定するようなものだ。
投稿者:Anthony Perez、投稿日時:2008年4月2日 午前11:18
やあ、John
うならされる記事だったよ!
ブランドがカンバセーショナル・マーケティングをうまくやるのはむずかしいと思う–この種のマーケティングを成功させるには人的交流や、関係を長期的に育てていく姿勢が必要だからね。それはキャンペーンじゃない。
でも、ここに鉱脈があることは確かだ。会話の世界に参加し、適切にふるまい、消費者を助ける方法をみつけたブランドは、この鉱脈をほりあてるだろう。
TO’B
MotiveQuest LLC
投稿者:Tom O’Brien、投稿日時:2008年4月3日 午前8:37
クリエイティブに関してだが、フォーマットや反復が会話にどれくらい影響を及ぼすのかに興味がある。それがビジネスだし、収益モデルだということはわかっているが、問題の根もそこにあると思うんだ。「どうすれば消費者を説得できるか」という発想でマーケティングに取り組んでいる人はあいかわらず多い。でも、「どうすれば消費者に自分たちを信じてもらえるか」というのが本来ではないだろうか。顧客の信頼に値することをする–これがひとつの答えだ。すくなくともね。環境保護に熱心なふりをしろといっているわけじゃない(どちらにしても、みんなやってるけど)。そうではなくて、顧客を参加させること、顧客に敬意を払うことだ。なぜ自動車会社は、客が自動車を買ったら、あとはろくに何の注意もはらわないのか。なぜシボレーは「マリブ」(名前が惜しい)という革新的な車を発表しながら、これがトヨタのカムリと同じくらいすばらしい車だというストーリーを伝えて、消費者との絆を深めるかわりに、大量の広告をやみくもに投下するという古くさいマーケティング手法を選んだのか? なぜ、そんなことになってしまったのか? (私はマリブのオーナーではないが、私なら車の誕生に携わった人たちに関するサイトか短編映画を作って見込み客や映画ファンに見せるね)。
広告モデルの転換をたくみに行っているよい例がhoneyshed.comだ。honeyshedは販売をエンターテインメントに見せかけるかわりに、販売そのものをエンターテインメントにしてしまった(悲しいかな、私はこれにも関わっていない)。
そういうわけで、第三部の公開を首を長くして待っているよ、John。
投稿者:Joseph Newfield、投稿日時:2008年4月3日 午後8:45
僕らも何か提言をして、Johnに協力してはどうだろう。
まずは僕から。ウェブは紙媒体やテレビとは違う種類のエンゲージメントを必要としているのかもしれない。たとえば、ウェブの強みは実は「プッシュ」より、「プル」にある。
(略)
(「一方通行」のメディアから)完全に分散化されたメディアへの移行というのは、すごく根本的な変化で、ものすごく重要なできごとだと思う(前のコメントでもいったが、これは印刷機の発明に匹敵する大事件だと感じている)。単純に、「長年の癖はなかなかなおらない」ということなのかも。
メディアがここまでフラットになってしまうと、特定のコミュニティと絆を深めてもらうにはどうすればいいのかという問題が出てくる。思うに、古いメディアモデルは「全員と絆を結ぼうとすること」だった–でも、このモデルは現代にはもうそぐわない。(ところで)これは僕が「Cluetrain Manifesto」に感じている違和感でもあるんだ。そもそも、「すべてとつながっている」なんて無理だ(すべてと「つながっている」なら、「つながっている」という言葉はもはや意味をなさなくなる)。
つまり、目指すべきはターゲティング(全体のなかから「適切な」コミュニティを選ぶこと)ではないか。過去にも粗っぽくはあったが、そのための方法はいろいろとあった(人口統計とか)。ウェブがそこに付け加えるものがあるとすれば、テーマに基づいてコミュニティを選ぶ方法だろう・・・
投稿者:nmw、投稿日時:2008年4月4日 2:15 AM
IAB規格の広告が使いものにならないことには、みんなが気づきはじめている。このタイプの広告を最後にクリックしたのがいつだったか、思い出せないほどだ。それでも私は年がら年中オンラインで買い物をしている。
エンゲージメントを生みだすには、広告主はコンテンツに入り込む必要がある。テレビCMが番組の途中で流れ、見開き広告が雑誌の途中に掲載されるのと同じことだ。問題は、ウェブユーザーがそれを許さないってこと。
次のステップは「コンテンツとしての広告」だと思う。ユーザーの行動や思考を促すような広告だ。最近のスターバックスのキャンペーンは、その格好の例だし、Johnがリンクをはった自動車のキャンペーンもしかり。こうしたユーザー生成型のアイディアがどれくらい実現するか楽しみだ。FMが次にどんなことをしかけてくるか、興味をもって見守っている。FMはまちがいなく、時代の最先端を行く広告ネットワークだ。
投稿者:John Wesley、投稿日時:2008年4月5日 午前9:57