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「テレビCM崩壊」と「CONTENT’S FUTURE」の交差する場所

2007年10月16日 お知らせ

agilemedia_logo1.jpg いよいよAMNブログイベント「ブログと広告」の開催が明後日になりました。

 今日は、当日パネラーをしていただくお二人のご紹介もかねて、今回のイベントの趣旨をまとめておきたいと思います。

 まず、一人目のパネラーはAd Innovatorの織田さん。
 様々な講演や執筆活動をされていることでもおなじみですが、なんと言っても代表的なのは織田さんが監修をつとめた『テレビCM崩壊』(翔泳社)でしょう。その衝撃的なタイトルもさることながら、第一章をPDFでダウンロード可能にするなど、新しい取り組みでも注目されました。
 Ad Innovatorでは、2004年5月の開設以来、欧米における広告・マーケティングの最新動向や事例を紹介されており、いまや業界関係者必読のブログと言われています。
 常に広告の未来を見据え続けている方と言っても良いでしょう。

 そして、対するパネラーは音楽配信メモの津田さん。
 「IT・音楽ジャーナリスト」という肩書きから分かるように、音楽業界から、フリーソフト、グーグル、WinMXなどの多数の著作や執筆活動で有名で、最近では文化庁の私的録音録画小委員会でダウンロード違法化問題について警鐘をならしつづけるなど論客としても知られています。
 そんな中、今旬なのは、やはり小寺 信良さんと共著で執筆された『CONTENT’S FUTURE』(翔泳社)でしょう。文字通りコンテンツの未来をしっかり見据えて、現在の日本のコンテンツ業界の課題や可能性を浮き彫りにされており、私も大いに影響された本です。

 
 この二つの本をここに並べてみました。

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 テレビCM崩壊では、いわゆるマスマーケティングの象徴であるテレビCMの神通力が薄れて、インターネットを中心とした新しいツールを活用した広告の未来が描かれており。
 一方CONTENT’S FUTUREでは、これまでのコンテンツをめぐるビジネスモデルや著作権の概念などがインターネットによって根底から覆されようとしているコンテンツの未来が描かれています。

 この2人が見ている未来は、インターネットが引き起こした大変化の象徴的なものといえるでしょう。

 そんな中、メディア的にブログを活用している人々が直面している状況というのは、この二つの未来が交差した課題や可能性の縮図のような場所なのではないかと感じています。

 「テレビCM崩壊」後の未来の広告を象徴するものとして、ブログやSNSなどのソーシャルメディアは、マスマーケティングを補完したり、マスマーケティングでできなかったことを実現するためのプラットフォームとして期待されてしまっています。
 そう言う意味では、PayPerPostのように手っ取り早くマスマーケティング的に認知度を高める手段としてブログを活用するサービスが出てくるのはある意味自然なことです。

 ただ一方で、「CONTENT’S FUTURE」の第二日本テレビ 土屋さんのインタビューで出てくるように、コンテンツを生み出す人が最初から広告やビジネスモデルばかりを気にしていては、コンテンツは本当にやせ細っていくだけ。
 ブログやSNSなどの新しい情報発信手段が、コンテンツに新しい可能性を生み出すプラットフォームになることが期待されているはずです。

 そうはいっても、現状のインターネットが、これまでのコンテンツビジネスほどライターやブロガー、コンテンツクリエイターに収益をもたらしていないという指摘も無視はできません。

 そう言う意味で、当日は織田さんと津田さんそれぞれの見ている未来と。
 そこに参加者の皆さんの疑問や課題をぶつける形で、「ブログと広告」というテーマについて皆さんと一緒に議論してみたいと思っています。

 もちろん、簡単に結論が出る問題ではないと思いますが、皆さんに何かをつかんでもらえるイベントにしたいと思いますので、当日はよろしくお願いいたします。
 
イベントの詳細についてはこちら

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